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第10回「慣れる事の利点と落とし穴」

ブラッシングをすることに慣れる。慣れることで、当たり前のように毎日かかさずブラッシングができるようになります。このように生活習慣に定着するということはとても大切だと思います。

しかし、慣れる事には「落とし穴」があります。
慣れる事によって、ブラッシングがマンネリ化してしまうと、いつのまにか磨き方が少し雑になってしまうことがよくあります。慣れる前は、毛先の当て方や動かし方など、ひとつひとつ細かい部分まで意識してブラッシングできていたのではないでしょうか。誰もが、慣れない作業には特に意識して作業すると思います。
ブラッシングに慣れている方は、時々、「磨き方が雑になっていないか?」と意識してみてはいかがでしょうか?

第9回「1日1回磨けば良い」 ~無責任なアドバイスⅡ~

「ブラッシングはきちんと磨けば1日1回で良い」という言葉を耳にした事があります。ブラッシングが面倒だと思っている方や、磨きたくないと思っている方にとっては、耳の痛くない言い方ですが、無責任な言い方ではないでしょうか?

根底にあまり厳しく言うと嫌がられる、所詮いくら言っても磨かないのだろう…などという考えからくる裏返しの言葉です。ブラッシングは、不精(無精)という怠慢との戦いと言っても過言ではありません。1日1回程度のブラッシングでは到底ブラッシングの上達は望めません。

回数を重ねることで、その繰り返しでブラッシングのコツをつかむ事ができるのだと思います。本当に意味のあるブラッシングが必要だと考えるからこそ、私は1日1回だけ磨けばいいなどという無責任なアドバイスはするべきではないと考えております。


ブラッシングのポイント

歯ブラシの持ち方、力加減、毛先の当て方、振動の与え方…など、目で確認して歯周に毛先がしっかり当たっている状態の感触を確認しながらブラッシングを行う!(目と歯周と指先の感触を同時にチェックしながら行えるのが理想です。)

第8回「ながら磨き」 ~無責任なアドバイスⅠ~

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「本を読みながら…、テレビを見ながら…など、何かをし『ながら』でも良いので歯を磨きましょう!」とアドバイスをする歯科医院があるかもしれませんが、それでは正しいブラッシングはできません。磨き残しの無いようにしっかりとブラッシングをするには、ながら磨きでは100%無理です。

そもそも正しくブラッシングするには、手鏡で歯ブラシの毛先がしっかりと磨かなければならない箇所にあたっている状態を確認し、磨く必要があります。

しかし、ながら磨きではいつの間にか毛先が磨かなければならない箇所から離れてしまいます。そして、この点に気づかずに不十分なブラッシングとなってしまうのです。何々しながらでは、磨いているつもりでも、結果として効果が表れにくい歯磨きになってしまうのです。

第7回「電動歯ブラシ」

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テレビのCMなどでは、自分の手で行うブラッシングは不十分だとう印象を与えているように思えます。電動歯ブラシは微妙な力のコントロールができません。つまり、歯周組織の状態にあった繊細なブラッシングは困難なのです。 人間の手の繊細な動きは、機械で再現することは非常に難しいです。
たとえば、自動車の洗車でもそうですが、機械での洗車では、微妙な力の加減が難しいため、細かい傷ができたり、汚れが残ってしまう事があります。手洗い洗車では、人の手で力をうまく加減しながら洗車することができますので、傷もつけることなく、細かいところまで洗車することが可能です。
歯も自らの手で力をうまく加減しながらキレイに磨く事が大切だと思います。

第6回「自己満足」

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他のドクターに患者さんのブラッシングについて話をしたところ、「自己満足に過ぎない」と言われた事があります。

私は自分自身が満足できない事は、他人を満足させることはできないと思っています。自己満足でブラッシングするというのは、いいかげんにブラッシングをすることとは違います。ブラッシングをしている自分自身が、満足のいくまでブラッシングをするという意味では、毎回自己満足でブラッシングを続けていれば良い効果が現れるのではないでしょうか。そして、それが習慣となれば、自己満足のレベルも上がり、誰もが納得するブラッシングができるようになるのだと思います。